「飯だ、食え」
「・・・・・・いらない」
「強情もいい加減にしねぇと、くたばっちまうぜぇ」
「構わない」
「・・・なら勝手にしろ!」

大きな音を立てて閉まるドアを見る。
ベッドから起きて、ぼーっとする頭で何度も考える。





どうしてここにいるのかを。








-------------------------------------------------------私と







「帰りたい、日本に帰して・・・」
「そりゃできねぇ相談だな」
「・・・なんで」
「なんでだぁ?そりゃ、お前が願ったからだろう」
「私が、願った?・・・・嘘だ」
「嘘じゃねぇ」

銀色の長い髪を揺らしながら、スクアーロが振り返る。
ニヤリと笑みが刻みながら。



『お前が望んだから、俺はここに連れてやったんだ』










スクアーロは私が望んだから連れてきたって言う。
けど、私はそんなの望んでない。望むはずがない。
悶々と考えていると、今日何度目かのノックが聞こえた。

「女ぁ、出かけるぜぇ」
「・・・一人で行って」
「おい、気にいらねぇその態度、何とかしろ」
「やだ・・・やだやだ!」
「お゛ぉい、女」
「違う、私はこんな所に居たいんじゃないッ、ただ貴方と一緒に居たかっただけなのに!」

言えるじゃねぇかと、スクアーロが近づいてくる。

「だから、連れてきてやったんだろぉ」
「こんな所で貴方と居ても嬉しくないっ」
「なら、どこだったらいいんだぁ?」
「・・・・・・日本」
「はぁぁ。どうしてそんなにこだわる?」
「あそこには私の居場所がある。家族も友達もいるの」
「けど、俺はいないんだぜぇ」
「分ってる、けどここに私の居場所はない。友達も家族もいない」

ギュッと布団を掴む。
泣きそうになるのを堪えて、下唇を強く噛む。

「う゛お゛ぉい!そんな事気にしてたのかぁ?」
「そ、んなことなんかじゃない!私には大切なことなの」

友達や家族を捨てられるほど、私は大人じゃない。
本当は、日本で一緒に居たかった。
行きたいお店も、したいことも、全部日本でのこと。

「だったら、俺が向こうに行けばいいのかぁ」
「・・・そうじゃない」
「あ゛ぁー!面倒くせぇなぁ、女ぁ!」

怒声が部屋に響き渡る。
綺麗な髪を振り乱して怒鳴る姿は何だか笑えるけれど。
笑えるはずもなく。

「貴方が日本で一緒に暮してくれるなら、嬉しいけど。でも、無理でしょう」
「現実はそう甘くねぇ」
「うん。だから、まずは私と友達になってください」
「はぁぁ?!お前とトモダチになれってかっ?ふざけてんじゃねぇぞ!女ぁ!」
「それで、私の恋人になってください」
「あァ?」
「そして、私の家族になってください」

チラリと盗み見た貴方の表情といったら。
ポカンと口をあけて、私を見る貴方といったら。

「スクアーロ、私とずっと一緒に居て。そしてたまに日本で私とデートしてください」

返事はなく、その代わり力強い抱擁。
抱きしめられた腕の中で、小さな言葉が聞こえた。





















メモ

おおお・・・スクアーロ

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