「シ、ン?」

?何でここに」





腕の中で










オーブ、それは私の故郷。
けれど、帰る場所のない故郷。
親も大好きだったお兄ちゃんも、もういない。









「家族とここでお別れしたから」

「それって・・・・」

「皆ここで、いなくなっちゃったの・・・・」


小さく呟くような声で告げる。
驚いた様なシンの顔が可笑しくて、クスリと笑みが零れた。


「シンはどうしてここに?」

「・・・・・・・・お前と同じだよ」

「そう・・・辛いね」

「くッ・・・・・」


何かを思い出したように、シンの瞳から涙が零れる。





切なくなった。




何故か私も苦しくなって。
思わず彼を抱きしめていた。


「シン、シンッ」

・・・・・・ッ」

「泣かないで・・・・私がいるから」

「ッ・・・・ぅ!」


優しく髪を撫でると、彼の顔がいっそう歪んで。
キツク私を抱きしめた。
肩越しに伝わる彼の悲しみと、暖かい涙。


「シン・・・・・大好き」

「・・・・・・」


コクリと一つ頷く気配。
それを感じて、私も涙を流す。


「シン」

「・・・・なんでお前まで泣いてるんだよ」

「シンのもらい泣き」


顔を上げた彼の頬には、まだ涙の後が残っていて。
それをそっと指で拭う。




「何?」

「お前は俺が守る」

「・・・ありがとう。私も守ってあげる」

「あげるって、何だよ」


いつものペースを取り戻すシンにクスクスと笑う。



「シン、帰ろ」

「あぁ」


この辛い地を少しずつ離れていく。
そして私たちは、これからの戦いに身を染めていく。










それが、正義と信じて。


















メモ
ただシンをぎゅってしたかっただけのお話



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