私が、ゴーイングメリーゴーに乗ったのは、偶然だった。
いつものように海辺を散歩しながら歌を歌っていた。
そんな時、ルフィに誘われた。
私の歌声が好きだと言ってくれた。
だから、私は船に乗った。
そこで、出会った。






視線の先にはいつも貴方が








いつも傍にいてくれて ありがとう
あなたの存在が 私に力をくれる
あなたを想うだけで 私は強くなれる
私にとって貴方はなくてはならない人



目を閉じれば 貴方の笑顔が思い浮かぶ
それだけで 私は幸せになれる
こんなにたくさんの幸せをもらって
少しでも 少しずつでも
私は返せてますか?
あなたの心の中に 私はいますか?



いつか いつか
あなたに貰ったすべての幸 返せた時には
二人で歩いて行きたい
どこまでも いつまでも




歌い終えると、は目を開けた。
そこには、いつもと変わらない青い青い海が広がっていた。

「今日も、いい天気だな〜・・・」
ッ」
「わっ!ナミっ、脅かさないでよ〜」
「あはは、ごめんごめん。あんまりのほほんとしてるもんだからつい、ね」
「もうっ」

が、この船で航海して始めて2ヶ月が経った。
皆気のいい人ばかりで、もすぐに打ち解けた。
ただ、一人を除いては・・・

、前々から気になってたんだけど、あんた好きな人でもいるの?」
「えぇ!!い、いないよ!そんな人」
「・・・驚きすぎだってば」

図星を指されたのを隠すように、は大きな声を上げた。
そうなると、もう、肯定しているのも同じで。

「ははーん、さてはゾロね。じゃなかったらサンジ君かしら?」
「えぇ!?どうして分かるの!?ナミすごい!」
「・・・、感心する所じゃないと思うんだけど・・・」
「あ・・・・」
「はぁ〜、やっぱりね」

一つ溜息を尽き、はポツポツと話し出した。

「この船に乗った時からね、気になってたの。皆は怖がったりするけど、私は全然怖くなかった。
でも、最初に乗った時から今まで数えるほどしか話してないの。きっと、嫌われてるんだと思う・・・」

は、押し黙った。
少しはスッキリするかもしれないと思い、話した。
それなのに、スッキリするどころか、口に出した事により余計に悲しい気持ちになった。
やっぱり乗らなければよかったのか。
そんな思いばかりが、の胸を締め付ける。

「カーヨーコ!考えすぎよ〜。あいつに限ってそんな事ないわ。を嫌ってるだなんて」
「でも!他の皆とは話すのに、私とだけ話さないなんて、嫌われてるとしかっ」
「それは、が自分で思い込んでるだけでしょう?ちゃんとゾロに聞いたの?
聞かないうちから、こうだって決め付けるのはよくないわよ」
「ナミ・・・」
「ほらっ!分かったら行ってらっしゃい」
「・・・・うん、分かったっ」

パタパタと小走りで、ナミの元を離れていく。
目指すはゾロの元へ。

「あの二人も、相当不器用よね〜・・・」

縁に凭れながら、ナミはが走っていく姿を見送った。
























ゾロは、いつもの場所でグーグーと寝息をたてていた。
ナミに言われるままゾロがいる所まで来たが、それからの事をは何も考えてなかった。
自分が嫌われているか聞くには、その理由も答えなければいけないだろう。
ゾロの事が好きだからと、正直に言うわけにもいかない。
かと言って、ゾロの前で嘘がつけるとは、どうしても思えない。
しばらくその場をウロウロした後、仕方なく、はゾロの隣にちょこんと座った。
それだけで、の心臓は破裂しそうだった。

「ゾ、ゾロさん・・・・」
「・・・・・・」
「ね、寝てますよね?・・・・起きませんよね?」
「・・・・・・」

返事のない事をいいことに、は小さな声で話し出した。

「ゾロさん、私の事・・・嫌い、ですよね?目が合ってもすぐに逸らすし、
話しかけても素っ気ないし・・・でも、私はゾロさんの事、」

そこまで言って、は喋るのを止めた。
ここから先は、言っていいものか戸惑ったから。


もし、伝えて振られたら。

気まずい思いをしたらどうしたらいい?

目も合わなくなるかもしれない

それなら、そんなに辛い事しかないなら、


言わない方がいい。


は、自分で考えた事に今更ながらに怖くなった。
これ以上言っちゃいけない。
今まで通り、見ているだけでいい。
ゾロの傍から離れようと、立ち上がった時、

「続きはねぇのかよ?」

立ち上がろうとするの腕を掴み、ゾロの目がを見ていた。

「え・・・?あの・・・お、起きてたんですか?」
「いや。お前がくるまでは寝てた」
「そ、それじゃあ・・・・私の話ぜ、全部聞いてたんですか?」
「あぁ」

ゾロの返事を聞いた途端、は暴れだした。

「お、おいっ!」
「は、放してくださいッ、まさか起きてるなんて思わなくてッ。私!」
「ちょっ、俺の話も聞けよっ」
「や、聞きたくありませんからっ」
「いいから、聞けって!」
「・・・・ッ!」

ゾロの怒声に一瞬の体が震えた。
その瞬間を見逃さずゾロは、ぐいっと腕を引く。

「うわっ!」

腕を引かれたは、体制を崩し、ゾロの胸に倒れこんだ。

「あ、ごめんなさい!」
「好きだ」
「え・・・今なんて」
「お前が好きだ」

の顔が一気に赤くなった。
と同時に大きな瞳から涙が溢れた。

「ど、どうして?嫌いなんじゃないんですか?」
「俺がいつ嫌いつったよ」
「でも、目すぐに逸らすし、話しかけても素っ気ないし・・・私てっきり」

そこまで言って、の目に溢れていた涙が頬を伝った。

「悪かった、そこまでお前を傷つけてるとは思わなかった」
「じゃ、嫌いじゃないんですね?」
「あぁ」

ぎゅっと強くを抱きしめる。
その腕の温かさに、の目からはさらに涙が溢れた。

「泣くなよ」
「だって・・・っ」

「っはい?」

名前を呼ばれ、ぐしゃぐしゃの顔で見上げると、少し照れているゾロの顔があった。

「ゾロさん?」
「好きだ。もう絶対離さねぇ」
「私も・・・好きです」

さらに抱きしめる腕の力が強くなる。
ゾロはを抱きしめたまま、はゾロに抱きついたまま寝息をたてていた。



その日の夕食で、二人は他のクルーにからかわれる羽目になったのは言うまでもない。




SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送