世界で一番大切な日








「わーかしっ」
先輩」

ポンッと肩を叩かれ振り向くと、満面の笑みをした先輩がいた。
鼻の頭が少し赤い所を見ると、走って来たのだろ。
それだけで、少し嬉しくなる。

「こんな朝早くから学校行くんですか?」
「いつもはゆっくりなんだけど、今日は特別だから」

そう言って嬉しそうに笑う。
俺には未だよく分からないが・・・

「そうなんですか」

そう返すと、先輩に軽く頭を叩かれた。

「っ何するんですか」
「んもう!若鈍すぎだよーっ」
「鈍いって・・・」
「今日は何の日?」

先輩にドアップで迫られ、ドキドキする。
何の日だったか思い出そうとするが、頭の中は先輩しか出てこない。

「分かりません」

降参すると、先輩は少し驚いたようで、本当に分からないのと聞いてくる。

「仕方ないな〜、それじゃあ教えてあげる!」
「・・・・」
「今日は若の誕生日でしょう?はい!誕生日おめでとうっ」
「・・・!?」

そう言って、先輩から差し出されたのは、綺麗に包装された袋。
漸く思い出した。
だから、先輩は朝早くこの道を歩いていたのだ。

「あ、ありがとうございます」
「どういたしましてっ」

俺のお礼の言葉に、嬉しそうに笑う。

「ねっ、開けてみてっ」
「あ、はい」

がさがさと袋を開け、中に入っているものを取り出す。
中には、フォレストグリーン色のマフラーが入っていた。

「先輩これ・・」
「自慢じゃないけど、私手先が器用なんだよね。だから編んでみた!」

にっこり笑顔で言われ、俺は暫し呆然となる。
俺の沈黙を、嫌だと受けとったらしい

「やっぱりこういうのは・・・嫌い?」

苦笑いを浮かべながら先輩が尋ねてくる。
その表情に少し胸が痛くなる。

「そんな事ありませんよ」
「若」
「マフラー、ありがとうございます」

言いながら、マフラーを首に巻く。
しっかり編んであるマフラーは、俺の首元を暖かくしてくれる。

「すごく、暖かいですよ」
「・・よかった〜」

やっと、先輩に笑顔が戻る。
それを見て俺もホッとする。
やっぱり、先輩にはいつも笑顔でいて欲しい。
そして、それを隣で見ていたい。

先輩、好きです」
「私もだよ」

誰もいない道の真ん中で抱きしめ、キスをする。

「そう言えば・・・」
「なんですか?」
「朝練、遅刻だね」
「・・・!!」



二人して跡部さんに怒られたのは言うまでもない。



























あとがき--------------------------

若お誕生日おめでとうっ☆☆
アップが遅くなったのはご勘弁を!
一度でいいから好きな人に、マフラーとか
作ってあげたいですね^^
取り敢えず、今は相手を見つけないと;

          圭
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