満開の桜。
綺麗に見えるのは、あなたと一緒だから?





の中で






「わぁ!!」
「これは・・・見事だな」

一面満開の桜を二人で眺める。

「浮竹さん!すごいキレイですよっ」

本当に綺麗で、私は少し離れていた浮竹さんに近づいた。

「あぁ、そうだな」

今日は体調がいいから、花見に行こうか。
言われた時は、本当に嬉しかった。
今年の桜はどこも満開だと聞いていたから。
一緒に行ければいいなと思っていたから。

「天気もいいし、気持ちいいな」

そよそよとふく風。
二人で芝生の上に座る。
チラッと浮竹さんを見ると、目を閉じていた。

「浮竹さん?」
「んー?」

間延びした返事。

「うふふ、気持ちよさそうですね」

クスクスと笑いながら、覗き込む。

「あぁ、も傍にいるからな」

パチと目を開け、微笑む。
優しい微笑と、目が合う。
まさか目を開けるとは思っていなくて、私は、目を反らした。
恥ずかしくて・・・

「ん?どうした?」
「い、いえ!べ、別にっ」

ブンブンと手を振る。

「変な奴だな」

今度は私が笑われる。
恥ずかしがっている事ぐらい、浮竹さんなら気付いているだろう。

「そうだ、。お願いがあるんだが」

楽しい事を思いついた子供の瞳で、私を見る。

「なんですか?」
「膝枕してくれないか?」

その瞬間、ボッと顔に火がついた。

、真っ赤だぞ」
「だ、誰のせいだと思ってるんですかっ」

赤い顔のまま反論すると、今度は声を上げて笑われた。

「本当に、は見てて飽きないな」
「・・・もう!膝枕してあげようと思ったのに、しませんよ?」
「それは、困るな」

少しだけ慌てた声と顔。

「・・・・・反省してます?」

上目遣いで見ると、なにやら苦笑いしながら、

「反省してるよ」

と返ってきた。
ついでに、頭も撫でられた。

「それじゃぁ・・・・はい、どうぞ」

座りなおし、頭がのせやすい様に座る。

「ありがとう」

言って、私の膝に頭を乗せる。
綺麗な長い髪がくすぐったい。

「あぁ、やっぱりいいな」

ゆっくり目を閉じ、また目を開ける。
浮竹さんと目が合う。

「桜の中にいるお前は、綺麗だな」
「浮竹さん」
「このまま、ずっと一緒にいたいものだな」

サラッと私の私の髪に触れる。

「ずっと一緒ですよ。何があっても、私は傍にいます」

髪を触っていた手が降りて、私の頬に触れる。
とても、とても温かい手。
その手に自分の手を重ねる。

「好きだ」

優しい声。

「私も好きです」

浮竹さんの嬉しそうな顔を見て、私はゆっくり目を閉じた。
この至福の時を味わう為に。






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