狼
は不敵に笑う。
「あれまぁ、相変わらずだねぇ」
一歩間違えるとお婆さんに間違われそうな話し方。
は話しながら、少しずつゾロに近づく。
「こんな所で寝てると風邪引くよ?」
「・・・・・・」
「もう、しょうがないなぁ」
一旦は部屋に戻り、またすぐに戻ってきた。
手にはタオルケットが二枚。
一枚はゾロに掛ける用。
もう一枚は、
「よし、これで大丈夫だね」
「・・・・」
「さて、お隣お邪魔しまーす」
そう言ってはゾロの隣に座り、体を預けた。
「ふぁ・・・おやすみ、ゾロ・・・」
早くも寝息を立てながら眠る。
しばらくして、ゾロが目を開けた。
もちろん、が近づいてきた時点で目は覚めていた。
「はぁ、お前は一体何しに来たんだ?」
「ん〜・・・・・ぐぅ」
「寝に来ただけかよ。なぁ、」
「んー・・・」
に尋ねるも、うーや、んーなどの返事しか返ってこない。
面白いからと狸寝入りをしていたら、何故かこんな展開になっていた。
「はぁ。ま、他の場所で寝られるよりはマシ、か」
タオルケットに身を潜り込ませ、ゾロに体重を預ける。
「・・・おい、」
「んん?」
「寝るなら、膝に頭乗っけろ」
「んーー」
唸りながらはゾロに言われた通り、頭を膝に乗せた。
膝と言うよりは、胡坐をかいているゾロの太もも辺りになるのだが。
「・・・ゾロ・・・」
不意にがゾロの名前を呼んだ。
「あ?」
「ゾ、ロ・・・・ス・・・・・」
よく分からない寝言。
だが、ゾロには分かった。
最後のスの意味が。
「おい、」
「んんっ、もうちょっと・・・」
「後でたっぷり聞かせてもらうからな。「ス」の続きを」
「んー」
ニンマリ笑ったゾロは、また眠りに落ちた。
二人が起きたのは、夕方頃。
目覚めたにゾロは一言、
「、お前なんの夢見てたんだ」
その言葉を聞いた瞬間、の顔はみるみるうちに真っ赤に染まっていった。
「え、えぇ?!そ、それはっ、ひ・・秘密ですっ!!」
真っ赤な顔で、タオルケットを引っつかんで走り出す。
そんなの後ろ姿を見ながら、
「夜はこれからだぜ?」
一人呟き、ニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
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