09.サラリと言わないで欲しい








「・・・決まらない」


ベッドの上にありったけの服を並べる。
悩みだして早20分。

スカート、ジーパン、ワンピース、ブラウス。

どれを見ても何か足りない。


「あ〜ん!待ち合わせまで時間ないのにー!」


叫んだ途端、ビーッという呼び出し音。


「わわっ、もう!?」
いるか?」
「はい!今開けますー!」


下着姿のまま慌てて、ドアロックを外す。
瞬間、隊長の唖然とした表情。


「す、すみませんっ」
「い、いや、いいけど。なんだこれは」


ベッドに置かれた服の山。
カラ笑いして、頭をかく。


「服が決まらなくて」
「何でもいいから、早く着てくれ。その・・・」
「は、はい!」


眉間に皺を寄せ、服を持ち上げ体にあてては元に戻す。
これの繰り返し。


、それじゃいつまで経っても決まらないだろ」
「じゃ、隊長が選んでくださいよー」
「俺が?・・・・そうだな」


ちょっと冗談半分で言ったのに。
並んでいる服をじっと見つめる横顔にドキリとする。


「このスカートとブラウスは?」


手渡されたスカートとブラウスを着る。
薄いカラーのブラウスに、少し濃色のスカート。


「わ、すごいっ、さすが隊長!」
「それはよかった。によく似合ってるよ」


極上のスマイルと何気ない言葉に、私は耳まで赤くなった。















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