07.眩しすぎるのは太陽じゃなくて










「本木行けー!」
「池上さんも、坂口さんも頑張れー!」
ー!その言い方だと、俺達ついでみたいだろーっ」


フットサルの途中で坂口さんが声を上げる。


「そんな事ないですよー、二人が本命ですってっ」
ーッ」


ピーっと笛の音がして、ズンズンと本木が向かってくる。
他の選手もバラバラと動きを止める。
丁度休憩に入ったらしい。
後ろでは、坂口さんや池上さんが笑っている。


「なによ」
「・・・・タオル」
「はぃ?」
「だから、タオルつってんだろッ」
「はぁ・・・はいはい」


溜息を付いて、隣に座る本木の頭にタオルを被せる。


「これでよろしいですか?」
「・・・・・・」
「・・・嘘に決まってるでしょ?」
「分かってる」
「分かってるって顔、してない」


本木の傍に座り込む。
顔を覗き込むと悔しそうに顔を歪める。


「俺は、」
「惣伍、笑って」
「は?」
「笑ってって言ってんの」


本木の頬に手を伸ばして頬を引っ張る。


「何すんだよッ!」
「暗い顔ばっかしてるから。惣伍は私の元気の源なんだから」
?」
「私は、惣伍がいいの」
「・・・・俺も」


なら笑ってと笑顔を向ける。
呆気にとられた後、キラキラ輝く笑顔を見せてくれた。


「よっしゃー!坂口、池上、行くぜぇ!」
ちゃんのお陰だね」
「ったく、単純だよな。あいつは」
っ」

呼ばれて、顔を上げるとタオルが飛んでくる。


「わっ」
「持ってろッ」
「はいはい、怪我しないでよー」
「分かってるって!」


仕事してる時の惣伍も、オフの時の惣伍も、こうやって拗ねる惣伍も。
私にとっては、太陽なのです。



















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