06.受け止めるよ 何度でも











「・・・・・・」
「いい加減出てきたらどうだ?」


ノックと共に西脇さんの声が聞こえる。
けれど、それに答える事が出来ない。





優しく名前を呼ぶ声に、うっかり涙が零れそうになる。
こうやって閉じこもるのは、今に始まった事じゃない。
何かある度、私は部屋に閉じこもる。


「・・・・開けないなら、壊すぞ」


冗談とも、本気ともつかない言葉。
けれど、西脇さんならやりかねない。
聞こえた低い声に慌ててロックを外す。


「なんだ、まだ泣いてないのか」


入るなり楽しそうに告げられムッとする。


「・・・・泣きません」
「そうか」


小さく笑って、頭を撫でる。
その手が限界だった。
ポタリポタリと足の上に落ちる雫。


「何があった?」
「・・・もっと、強くなりたいっ」
は十分強いだろ」
「足り、ないッ」


ブンブンと首を横に振って、言葉を否定する。
私と目線を合わせるように、西脇さんが身を屈める。


が女だからか?」
「・・・・・」
「誰に言われた」


小さく首を振る。誰かに何か言われた訳じゃない。
けれど、女だからと甘くみられるのは絶対に嫌だ。
だから人一倍トレーニングもしてるのに。
それでも、根本的な力の差はどうにもならない。



「誰にも・・言われて、ない」
「焦る必要なんて、ないだろ?」


コツンと額と額がぶつかる。
優しい笑顔に、更に視界が潤む。


「どう、して?」
「この隊と同じだから」
「隊、と?」
「この隊は、まだまだ強くなる。もそれと同じって事」
「っ西脇さん」


一人で抱え込むな。そう言って、抱きしめられた。















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