01.跳ね上がった心で気づいた








ー!隊長達が来てるってばっ!」
「うん、知ってるよ」
「見に行こう!!」

朝からなんだか周りがフワフワしている。
警備隊隊長の石川さん、SPの岩瀬さん、外警班長の西脇さんが来るという。
けど、私は別段興味はない。
あと数年もすれば、出会う人達。
尊敬はしているけれど、今はやるべき事がある。

「ごめん、美弥。私ちょっとトレーニングしてくるよ」
「えぇー!!ノリ悪い〜・・・・、アンタ本当に女?」
「・・・・・・・悪かったわね。女っぽくなくて」
「仕方ない!んじゃ、私行って来るよ」
「授業に遅れるなよー」

分ってるってと手を振りながら駆けて行く。
その後姿を見て小さく笑うと、近くの窓に手を掛け、開く。

「・・・・誰も居ないよね?近道しちゃえ」

窓の縁に足を掛け外に飛び出す。
ここは一階。高さもそんなになく、なんなく地面に着地する。

「フッ、猫みたいだな」
「・・・・・・・ッ!」

小さな笑い声と共に、一人の影が私を覆う。
有馬教官かと思って、一瞬心臓が止まりそうになる。
顔を上げて相手を確認すると、有馬教官ではなかった。

「・・・・・誰ですか?」

眉を寄せながら聞くと、相手は驚いた様に私を見下ろした。

「・・・外警班班長西脇。これで分かる?」
「外、警班、長!?」

今度は私が驚く番だった。
よりによって、自分が希望している班の班長だったとは。
感じるより先に、体が動いていた。

「す、すみません!」

勢いよく立ち上がって、頭を下げる。

「別に謝る様な事、ないと思うけど」
「や、あの・・・外警班長が来ているとは知っていたんですが、誰か分らなくて・・・その」

もはや、言い訳にしか聞こえない。
モゴモゴ言い訳をしていると、急に笑い声が上から聞こえてきた。

「登場の仕方といい。今といい。君、面白いね」
「・・・・っ」

笑顔にドキリと心臓が高鳴る。

「名前は?」
「あ、すみません!えっと、です」
が来るの、楽しみにしてるよ」
「・・・・あ、りがとうございます」

颯爽と歩いていく姿を見送りながら、その場に座り込む。

「・・・・・ど、どうしよう」

社交辞令だと分っているのに。
初めて見た笑顔と、呼ばれた名前に頬が火照る。
心臓の音がうるさい。

「・・・・・絶対、外警に入ってやる」

高鳴る胸で、彼の姿を思い出しながら私は、小さな誓いを胸にたてた。
















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