今日は寮の部屋変えの日です。







ぬいぐるみと思い出と










「よし!荷物は全部運んだし、片付けようッと」

新しい部屋に荷物を全て運び終え、片付けようとした矢先



聞きなれた声がを呼んだ。

「西脇さんっ」

パタパタと西脇の元に近寄る
嬉しそうな顔で自分の元に来るを、西脇は楽しそうに見つめた。

「部屋の片付け終わったんですか?」
「あぁ、もともと荷物は少ないし。は・・・・・見たら分かるか」
「すみません、まだ終わってないんです」

シュンとした恋人の頭を、西脇は苦笑しながら撫でる。

「手伝おうか?」
「え!?そんな悪いですからっ」
「いいって。どうせ、やる事ないんだし」
「じゃあ、お願いしますッ」
「了解」

























15分後

「ありがとうございました!」
「どういたしまして」

の部屋は綺麗に整理されていた。
だが、ベッドの上だけはが集めたぬいぐるみで溢れていた。

、ベッドの上は?」
「あ、後で片付けますんで」
「にして・・・・たくさんあるな」
「可愛いでしょッ?」

目をキラキラさせながら、一つ一つ買った経緯や思い出を西脇に話し出す。

「このうさぎさんは高校の修学旅行で買った子で〜」
「・・・・・」
「あ!こっちのくまさんは一目惚れして〜」
「・・・・・」
「このわんこは友達に誕生日に貰って〜」

そうやって、楽しそうに思い出を話すを、西脇は嬉しそうな顔で見ていた。

「それで〜・・・っとすみません・・・」
?」
「こんな事話しても西脇さんは楽しくないですよね。すみません」

苦笑いを浮かべながら謝るを西脇は抱きしめる。

「に、西脇さんッ?」
「楽しいよ。一生懸命俺に話してくれるとも思い出も」

抱きしめる腕に力を込める。

「わ、私もですか・・・?」
「あぁ、コロコロ表情が変わって面白かったよ」

思い出し、クスクス笑う西脇。
からかわれたと思ったは思わず声を上げる。

「もうっ!からかわないでくださいよ〜」

は、西脇の腕の中から逃げようと頑張ってもがくが、相手が西脇では逃げようにも逃げられない。

「悪かった。別にからかった訳じゃないんだが」
「知りませんっ」

プイッと顔を背ける
しかし、腕の中じゃ大した効果はない。

「機嫌直してくれ」
「いいですよ。初めから怒ってませんしね」

クスクスと笑いながら、西脇の背中に腕を回す。

「後で、思い出の続き聞かせてくれ」
「私の思い出でよければ、喜んで」

そう言って、口付けを交わす。










たくさんのぬいぐるみ達の笑顔に包まれながら。
























04/11/07 (06/11/19 加筆修正)



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