「ッ・・・」
!?」





眠リナガラ君ヲ想フ















目が覚めると、見慣れない天井が目に入った。
消毒液の匂い。
医務室にいるのだと、ぼんやり思った。

「目が覚めたか?」
「に、し・・わき・・・さん?」

首を傾けると、呆れ顔をした西脇さんと目が合った。

「大丈夫?」
「あの、私・・・なんでここに・・・確か、食堂に行ったところまでは覚えてるんですけど・・・」
「覚えてないのか?」
「あ・・・はい」

そう答えると倒れたんだよ、と返ってくる。

「倒れた・・・?」
「そ、食堂の前でね。俺が声を掛けるのと同時に倒れるから驚いたよ」

顔は笑っているのだが目が笑ってない。

「ご、ごめんなさい・・・・」
「なんで、体調が悪い事黙ってた?」
「そ、それは・・・」
「それは?」

オウム返しで言葉を返され、しどろもどろになる
そんなを他所に、西脇はさらに言葉を続ける。

「また俺に迷惑になるからとかじゃないよな?」
「・・・・・」

図星を指され返す言葉もない。
言葉に詰まり黙っていると、急に腕を引っ張られ、抱きしめられた。

「に、西脇さん!?」
「どうして、俺に迷惑になるとか思うわけ?」
「・・・・私の事で西脇さんの仕事の邪魔はしたくないんです」
「言ってくれない方が俺にとっては辛いし、心配なんだよ」
「すみません・・・」

抱きしめられながら、西脇の胸に顔を埋める

こんなに心配してくれている。
こんなに想ってくれている。

嬉しくての視界が徐々に霞んでいく。

「ごめんなさい・・・西脇さん・・・」
「次からはちゃんと言ってくれるよな?」
「はい・・・」

体を離し、を正面から見つめる西脇。
の目に溜まっている涙をそっと拭い、バツの悪い顔をする。

「ごめん、熱あるのに」
「いいですよ」

言ってを寝かす。

「そろそろ、仕事に戻るな」
「あ、はい。私のせいですみませんっ」
「・・・・」
「西脇さん?」
、謝ってばっかりだな」
「あ、すみませッ」

が慌てて口を塞ぐと西脇からクスクスと笑いが漏れる。

「俺がほしいのはそれじゃないんだけどな」
「・・・あ、りがとう?」
「正解」

そう言っての頭を撫でる。

「じゃ、大人しく寝てろよ」
「あ、はいっ」

シュっと音がして西脇が部屋から出て行く。


その音を聞き、は目を閉じる。
次に目が覚めた時にもあの人がいますようにと願いながら。













(06/11/19 加筆修正)



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