いただきます。










「之芭〜」
「なんだ?」
「今日のお昼は何がいい?」

そう聞くと、腕組をしたまま考え込んでしまった。
そんな姿が可愛らしかったりするんだけど。

「今日はサンドイッチにしようと思ってるんだけど、いい?」
「サンド・・・・イッチ?」
「あ、之芭はまだ食べた事なかったっけ」

見ると、一つ頷いてこちらを見る。

「じゃ、今日はサンドイッチね!」
「あぁ」

冷蔵庫の中から卵とハム、キュウリを取り出す。
鼻歌を歌いながら、食パンのみみを切り落とす。

「楽しそうだな」
「うん!あ、之芭も一緒に作る?」

一瞬驚いた様に瞳が開かれる。
少し俯いて考えた後、顔を上げて、

「作りたい」

その言葉を聞くといそいそとグローブをはめ、之芭を義骸に移した。







「じゃまずは、さっきゆで卵にした卵をこれで潰してね」
「潰す・・・」
「こんなかんじ・・・でっ」

ボールに入っているゆで卵を器具で潰す。
白と黄色が混じっていく。

「それじゃ、卵潰しは之芭に任せるね」
「分った」

それから黙々と卵を潰す。
その間、私はキュウリを切り、ハムをパンの上に乗せた。

「これで・・・いいのか?」
「うん、ありがとう!じゃ、味付けにマヨネーズを・・・」

入れて、ヘラを之芭に渡す。

「今度はコレで混ぜてね」
「・・・分った」

言われたまま、黙々と混ぜる姿を見つめる。
視線に気づいた之芭が、こちらを見る。

「どうした?」
「ううん、ただ幸せだなぁって」
「・・・・・・・・」

ジーっと音と共に翠色の瞳が見えなくなる。
クスっと笑い、からかう様に名前を呼ぶ。

「之ー芭ー」
「・・・・・・・」
「サンドイッチ、どうする?」
「・・・・・・・食べる」

少しだけチャックを開かせ、瞳を覗かせる。
頬を真っ赤に染めながら。


















メモ

シリーズ第二段
之芭は以外に器用だと思います。


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