未来を見つけて 21








「久しぶりだな〜この空気」

は、久しぶりのロスの空気にんーと伸びをした。
3日間、休みを貰ってロスに帰ってきた。
理由はジャックに会うため。

ーーーっ!!」
「ジュリアン!」

振り返ると、ジュリアンがこっちに向かっている所だった。

っ!」
「わっ!ジュリアンっ」
「久しぶりね〜!相変わらずで安心したわ」
「それは、変わってないってこと?」
「誤解しないで、いい意味でよ」

そう言って、の頬に軽くキスをした。
親愛の証。
もお返しにとジュリアンの頬にキスをした。

「元気そうでよかったわ。手紙を読んで心配してたのよ」
「ごめん・・・でも会えてよかった」
「私もよ」

そして、二人は笑いながら空港を後にした。

「こっちにはどれくらいいるの?」
「3日間だけど」
「なら、私の家に泊まってく?」
「いいの?!ありがとう、ジュリアン!」

は、ジュリアンのありがたい申し出に、甘える事にした。

「で、警備隊に行く?」
「その前に、ジャックに会いに行くわ」

の言葉にジュリアンは目を丸くした。
今までジャックがいなくなってから、の口から『ジャックに会いに行く』なんて聞いた事がなかったからだ。
お墓参りには、いつもジュリアンが付き添っていた。
ジャックのお墓を見ても、半信半疑で、ジャックの死を受け入れられなかった
一体日本で何があったのかと、ジュリアンは思った。

「ついて行こうか?」
「ううん、大丈夫。もう一人でも大丈夫」

力強い、それでいて何か吹っ切れたようなの言葉に、ジュリアンは安心した。

「そう、なら気をつけてね。警備隊で皆待ってるから」
「ありがとう、ジュリアン」

bye!と手を振りながらジュリアンは路地を曲がって行った。
ジュリアンの姿が完全に見えなくなるまで、はその場に居た。

「ジャック、今から会いに行くからね」

そう呟いては歩き始めた。
























ジャックは小高い丘の上に居た。
この場所は、遠い所まで見渡せる絶好の場所だ。

「ジャック、ただいま。それとあまり来れなくてごめんね」

はそう言って、墓の前に花を添えた。
以前付き合っていた時にジャックがにプレゼントした花だった。

「グレイさんから、聞いたよ。私を守ってくれって」

「それとね、アークに会ったよ。襲われかけた」

「でもね、日本の警備隊の皆が守ってくれたの。ビリーさんやグレイさん、マーティが」

「ジャック、今でも貴方が一番大切な人よ」

「私を守ってくれて、ありがとう」

の瞳からは涙が零れていた。
抱きしめてくれる暖かい腕がない寂しさと、自分が消えても守ってくれたジャックの愛に。
そして、はジャックの墓に、キスをした。

「今まで、ここには一人で来れなかった。貴方が居ない事をつきつけられているみたいで」

「怖かった、貴方がいないと、現実を受け止めるのが」

「でも、もう大丈夫」

「長い時間がかかったけど、ちゃんと受け止めたから」

「心配かけて、ごめんね」

は苦笑いをしながら、ジャックの墓の前に座った。

「私は3日間で帰るけど、また会いに来るから」

だから、見守っててねと、私の大切な人達を守ってねと。
何もかもが吹っ切れ、心からの笑顔で。
そして、は歩き出した。
新たな一歩をしっかりと踏みしめるように。



























あとがき

05/07/23 (06/11/19 加筆修正)



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