未来を見つけて 18








石川やグレイ達が出て行ってから、マーティはしばらくの部屋にいた。
特に何か話をする訳でもなかった。
ただ、の手を握りながら、が落ち着くのを待っていた。

「ねぇ、マーティ」

不意に、が話し出した。
マーティは声に出さず、じっとを見つめた。

「ジャックは・・向こうで元気にしてるかな?」
?」
「私ね、本当に好きだったの・・・」
「分かってる。ジャックはずっとの事見守ってるよ。 の両親と一緒に」
「そっか・・そうだといいな」

そう言って、まだ涙の残る笑顔をマーティに向けた。

「大丈夫、皆ちゃんとの事・・」
「うん、分かってる。ありがとう、マーティ」

マーティの肩に頭を乗せ、はゆっくり目を閉じた。
から、寝息が聞こえてくるまで、マーティはの手をギュッと握り締めた。























翌朝

目を覚ましたは、机の上に置いてある小箱を開けた。
中には、ジャックから貰ったクロスのネックレスが入っていた。

「ジャック、心配掛けてごめんね。それとありがとう。ずっとお礼、言えなくてごめんね」

言いながら、クロスにキスをした。

「ジャックが居なくなった事、認めたくなかったの。私の所為でいなくなったなんて・・」
「でも、もう大丈夫だから。ちゃんと乗り越えるから。だからずっと・・・」

ネックレスを元の場所に戻し、は支度をした。
出ようとした時、ビーッと言う音が鳴った。

「はい?」
「私、ビリーよ、食堂までどう?」
「あ、はい!今行きますね」

シュッという音と同時に、はビリーと向き合う。

「おはよう」
「おはようございます」

まだ、ぎこちない笑顔で返事をする。
その笑顔にビリーはホッと安心し、二人は食堂までの道を歩き出した。

「色々と心配掛けて、すみませんでした」
は気にしすぎ。私達が好きでしたことなんだから」

ポンとの頭を叩く。
その手が優しくて、は泣きそうになる。
下を向きながら、懸命に涙を堪えながら、は話し出した。

「まだ、完璧に吹っ切れたわけじゃないけど、でも、もう大丈夫ですから」

「しばらくは、夢に見ることだってあると思います。でも・・・」

そこまで言っては、息を吸い込んだ。
自分の思いをビリーに伝えるために。

「自分の力で、乗り越えますから」
なら、きっと出来るよ」

その言葉を聞いて、ビリーは安心した。
なら、もう大丈夫だと。

「時間は掛かるかもしれないけど、焦らず、自分のペースでね」
「はい!」

話している内に二人は、食堂についた。
今日から、また一日が始まる。
でも、昨日とは少し違う、一日が始まろうとしていた。


























05/3/2 (06/11/19 加筆修正)



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