未来を見つけて 16








「ここか・・・やっと見つけた」

「待っててね、僕の

その日、もう一つの出来事がを襲った。















お昼過ぎ、石川のインカムが鳴った。

「不審者?」
『はい、西ゲートの前をブツブツ何か言いながらうろうろしてます。』
「分かった、すぐ行く。側にいる隊員はそこから離れるなよ」
『はい!』
「行くぞ、岩瀬」
「はい」

そう言って、二人は西ゲートに向かった。
二人の後姿を見ながら、は、嫌な予感がした。
違っていてほしい・・・でも、たぶん・・・
だから、朝ホールでパニックになったのだ。
は不安な気持ちを抱えたまま、西ゲートに向かった。


















が西ゲートに着いた時にはもう遅かった。
男が叫びながら暴れていた。
しきりにの名前を呼びながら・・・

っ!僕のを返せっ!!!」
「おい、落ち着けっ」

石川に向かって刃物を振り回しながら男が向かってくる。
それを後ろから西脇が押さえた。
男は、呻き声を上げながらも必死に抵抗する。

「な・・んで、ここに居る・・・・のっ」

呟き、は震える体を必死に支える。
そして男の目がを捕らえた瞬間、ぴたりと静かになった。

っ!!」
「・・・・・っ!!」
「あぁ、やっと会えた・・・会いたかったよ。僕の
「ち、違うっ!!私はあなたのものじゃないっ!」
「可哀想に・・・死んだ恋人からまだ解かれないんだね」
「ちがう、違うっ!!」

男が何か言うたびは激しく首を振り、違うと拒絶した。

「アーク」

アークと呼ばれた男は顔だけを上げ、自分の名前を呼んだ人物を見た。

「貴様、ここに何しに来た」
「お前に関係ないだろう?」

いつもの姿からは想像出来ないグレイ声に周りは少し緊張する。
しかし、グレイの質問にもアークは答えようとしない。

に何か用か?」
「何か用、だって?当たり前だろう、は僕の恋人なんだから」
「違うッ!!!」

今までよりも一際大きな声でが叫んだ。

?どうしてそんな事言うの?まだ、を苦しませている奴がいるの?そうか・・・あいつか。ジャックがまだ君の事をッ!」
「違うッ!ジャックじゃない!私を苦しませるのはッ、貴方じゃないッ!!!」
「僕は君を苦しませたりしてないよ?こんなに愛しているんだから・・」

ニコッとに向かって笑いかける。
その瞬間、何かを殴った様な音と、グッと言う声がの耳に聞こえてきた。

、大丈夫?」
「・・・・・」

喋る事も出来ず、ただ震えながら頷くにグレイは顔を歪めた。

「もう、大丈夫だから」

そう言って、グレイはを抱き上げようと、手を伸ばした。
瞬間、



パシッ



体を竦めながらはグレイの手を払いのけた。

?」
「・・・・・・ッ」
「クソッ。おい、ビリー今すぐ西ゲートに来てくれ」

舌打ちをしながら、インカムでビリーを呼び出す。
ほどなくして、ビリーが西ゲートにやって来た。

「グレイ、!?」
「俺じゃ、怯えるんでね」

そう言って、苦虫を噛んだ様な顔でグレイは言った。


「ぁ・・・・っ」
「大丈夫よ」
「・・・・・」

ビリーが優しく抱きしめると、はゆっくりと目を閉じた。


























05/1/26 (06/11/19 加筆修正)



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