未来を見つけて 13







IN ロス

・・・」

「今すぐにでも君に会いたいよ」

「あの日から、君の事を忘れた日なんてなかったよ」

「ねぇ、僕の















IN 日本

「う〜ん・・・」
「おはよう、どうしたんだ?」
「おはよう、マーティ。ん〜ちょっとね〜」
、まさかあの事件の事考えてるのか?」
「まさか!もう・・・吹っ切れたよ!」
「ならいいけど」


『あの事件』


マーティに言われた通り、は「あの事件」の事を気にしていた。
この時期になると、嫌でも思い出す。
二度と経験したくない、そして思い出したくない、にとって最悪の事件。
そんな心配を他所に、朝礼が始まる。

「最近、この付近で不審者による事件が多発している。各自、巡回時気をつけるように」
「それから、その犯人の人相なんだが・・・」

どうしてだか、は嫌な予感を拭いきれなかった。
とても、気持ちの悪い感覚。

「その男は20歳後半のアメリカ人で、眼鏡を掛けているらしい」
「そして、襲われた女性の証言によると、頬にナイフで切られた様な切り傷があるらしい」





ハタチコウハン アメリカ メガネ キリキズ





「・・・・・ッ!!!」

の頭の中で何かが弾けた。
20歳後半、アメリカ、メガネ、そして傷
この4つのキーワードがの記憶を無理やり引き出していく。
叫びだしそうになるのを堪え、は手で口を覆う。

「以上、解散!」

石川の声と同時にその場に崩れる。

!?」
「おい、大丈夫か?」
「・・・・ッ」

周りの隊員達が声を掛けてくれるにも関わらず、は首を振りながら震える事しかできなかった。

ッ!!」
「・・・マーティ・・・ッ」

マーティはガシッとの肩をつかみ、虚ろになっているの瞳に自分を認識させる。
やっとの事で出した声は弱弱しく、いつもの明るいのものではなかった。

「今回の不審者は『アイツ』じゃないからッ!」
「で、でもッ・・・頬の傷は!?アイツじゃないなら、どうしてあるのよ!!」
「それはっ」

ホール内にの声が響く。
の聞いたことのないような悲痛な声に隊員達も、そこにいたマーティも何もできなかった。


「大丈夫か?」

ビリーが声を掛け、グレイがの肩を掴む。

「ッ・・・・!?」

それだけの行為で、は体を硬直させる。

、俺だ、グレイだ」
「・・・グレイさん・・・それにビリーさんも・・・?」
「そうだ、取り敢えず落ち着け」
「今ここに『アイツ』は居ないから」
「・・・ほ、本当・・・・?」
「あぁ」

フッとの目が閉じ、その場に倒れそうになったのをマーティが支える。

「取り敢えず、医務室に連れて行こう」
「分かりました」

ゆっくりとを抱え、マーティがホールから出て行く。
一時騒然となったホールには、苦虫を噛み潰したような顔のグレイとビリーが残っていた。




















05/1/8 (06/11/19 加筆修正)



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