未来を見つけて 12






AM11:30

ぐぅ〜ぅう

さん、今の・・」
「城!?聞こえてた・・・?」
「はい」

はがっくり肩を落とす。
これで2回目だ。
ちゃんと朝ごはんを食べたにも関わらず、鳴る腹の虫。

「ごめんなさい〜」
「よっぽど腹が減ってるんだな」
「はぁ〜最近こうなんですよ・・・」
「ま、食欲がないよりいいじゃないか」
「うぅ・・ありがとうございます〜」

野田の優しい言葉に、申し訳ないと思いつつもホッとする。

「あと30分で昼食だから頑張れ」
「はいっ」

野田のその言葉に再び画面に向かう。
相変わらず、カタカタと音をさせながら打ち込んでいく。
その時だけは、腹の虫も静かにしている。
























AM12:00

「わ〜い!やっとお昼だ〜!」
「よかったですね」
「うん!ほら、城も行くよ、早くっ」
「・・・分かりました」

城と共に食堂に着き、今日のメニューを確認する。
楽しそうに選ぶを見ながら、城は一人苦笑する。

「城は何にするの?」
「そうですね・・・焼肉定食にします」
「それじゃ私もそれにしようかなっ」

そう言ってカウンターに向かう。
中には忙しそうに隊員達が働いている。

「今日も元気だな」
「はい!」
「で今日は何にするんだ?」
「焼肉定食!あ、城も一緒で」
「了解」

程なくして、料理が目の前に出される。
と、はあるものに気がついた。

「岸谷さん!!これ、苺じゃないですか!!」
「あぁ、そうだが。嫌いなのか?」

トレーを持ちながら下を向いているに、岸谷が目をやる。

「まさか!私大好きなんですよ!苺」
「そうか。よかったな」
「はい!」

満面の笑みで机に向かう。
その様を呆れながら、でもどこか楽しそうに岸谷が見ていた。


















「ん〜、美味しかった!ご馳走様でしたっ」

お皿の上にあった料理は、すべてによってなくなっていた。
ただ一つ、苺を残しては

「さぁ〜て、苺を頂きますかっ」
「本当に好きなんですね」
「うん!苺なら2パックはいけるからね」
「それ、自慢になりませんよ」
「いいの、じゃいただきまーす!」

食べた瞬間、の頬が緩む。

「ん〜今年初めての苺は美味しいな〜っ」

たかだか苺一つで喜ぶに、城は呆れつつも笑う。

「そんなに好きなら俺の分もあげます」
「え!?いいのっ!?」

いいのと聞きながらも、目はキラキラと輝いている。
クスッと笑い、どうぞとお皿を渡す。

「ありがとう!」
「どういたしまして」

城から貰った苺を嬉しそうに食べる
それを見ながら、城は残りのご飯を食べる。

「ごちそうさまでした」
「あ、待って」

城が、トレーを返しに行こうとした時、何かを渡された。

「なんですか?」
「飴だよ」

笑顔で美味しいからと言われる。
城はどう反応していいか分からず、トレーを持ったまま突っ立ってると

「苺のお礼に。疲れた時にでも食べてね」

と声が掛かった。

「ありがとうございます」
「いえいえ、どういたしまして」

そう言って、は残りの苺にかぶり付く。
その姿をチラッと見、クスッと笑う。
貰った飴をポケットに入れ、思う





たまには、こんな日もいいかな、と。


























04/12/18(06/11/19 加筆修正)



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