絶対に私の前に立たないで。
護らないで。

それが条件。




護るという事






「よぅ、3日ぶりだな。
「・・・・一護?」

目に映ったのは、自分の部屋の天井とオレンジ色の髪。
指を動かしただけでも、ビリビリ、ズキズキと痛みが走る。
首だけを動かし、一護を見る。

黒崎一護。

私の恋人で大切な、失くしたくない人。
付き合いだしたのは3ヶ月前。
一護からの告白に、私は条件を出した。



『条件?』
『そう、守ってくれるなら、私は一護と付き合う』
『・・・・・・』

明らかに表情が変わった。
怪訝そうな顔。
言いたい事は、すぐに分かった。

『大丈夫、好きでもない人に、こんな事言ったりしないから』

だから、伝えた。
私も好きだから、と。

『護るなって、何から?』
『それは、一護もよく知ってるでしょう?』
『虚か?』
『大正解』

にっこり微笑んでみる。

『理由は・・あんのか?』
『私は、助けられる程の人間じゃないから』
『・・・・んだよそれ』

ムッと一護が睨んでくる。
キツイ眼差し。

『どうしても、ダメなのか?』
『うん、ごめんね』

これだけは譲れない。
好きだから。

『・・・・・・分かった』

渋々と言った感じで、一護が返答を返す。
今度は、私の番。

『ありがとう、一護。大好きよ』

まだ言ってなかった愛の言葉を呟いた。





そして私は、布団に横たわっている。
3日前、虚との戦いで負傷した。
倒れた私を、ここまで運んで来てくれたのは、一護。
意識を手放す一瞬、一護の叫ぶ声が聞こえた。

「ったく、また無茶しやがって」

口調とは裏腹に、ひどく悲しそうな顔。

「やだなぁ、そんな顔しないで」

包帯の巻かれた腕で、そっと一護の頬に触れる。
その上に重なる一護の手。

「なぁ、どうしてもダメなのか?」
「・・・・・・」


手をギュッと握る。
答えろと言わんばかりに。

「・・・・ごめん」

苦笑いしかでてこない。
一護が笑わないのは、きっと私のせいだ。
無理難題を吹っ掛けているのは、私だから。

「ッ!どうして、ダメなんだよッ!!」

ガツンと床に拳をぶつける。
どれだけの思いがそこに込められているのだろう。
そう思うと、切なかった。
いっその事、護ってと言いたかった。
けれど、同じ過ちは繰り返してはいけない。
そう、自分に誓ったから。

「一護・・・」

名前を呼んでも返事は返ってこない。
私の手をキツク握ったまま、下を向いている。

「ごめんね。だけど、ダメなの。もう、私のせいで誰も傷ついてほしくないの
いなくなって欲しくないの」

決して癒えることのない傷。
それは何年も経った今でも、変わらない。

・・・・?」
「私のせいで、過去に何人もの人が命を失った。私を、護ってッ!だからッ!私はッ」

握りこまれていた手をぐいッと引かれる。
そのまま一護の胸に包まれる。
温かい、腕。

「わりィ、ごめんな」
「一、護・・・私はっ」

ポロポロと涙が零れる。

「ごめんな、思い出させるつもりじゃなかったんだ」

悪かった、ごめんな。と繰り返す一護。

「こんな形で、お前の過去が知りたかったわけじゃねぇんだ」

本当に後悔している声で。
切ない声に、私の涙はさらに溢れた。

「だ、から、私を護ってほしくないのっ!」


よしよしと頭を撫でてくれる。
まるで、あやす様に。

、俺はまだまだ強くなる。一つのものを護れるように」
「一護ぉ・・・」
「俺は、お前を護って死んだりしねぇ」
「・・・・・!」
「絶対に、護るから」
「・・・・うんッ」

一護の言葉には、いつも泣かされて、励まされた。
やっぱり一護の事が好きなんだなと、いつも思い知らされる。

「一護、ごめんねッ」
は、謝らなくていいから」
「・・・うん」

ギュッと抱きしめて、キスをして。

「私も、一護を護るから!」

涙の後は、強気な私で。
ポカンと見ていた一護は、やがて上等とニヤリと口元を上げて、笑った。





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