La Candeur








いつも素直じゃない私。


「いいわよ!別に傍にいてくれなくたって!」
「そうか、なら勝手にしろッ!」


こうやって、いつも貴方の事を怒らせる。
笑顔にするよりも、怒らす方が遥かに上手い私。
本当は、ずっと傍にいて欲しいのに。
どうしても、それが上手く伝えられない。



、いい加減素直になれよ』



いつだったか、見かねたディアッカがこんな事を言った。




素直になる。




それが出来ればどれだけ楽か。
イザークに迷惑をかけたくない。心配させたくない。
いつも強い私でいなければ・・・


「・・・・・お前、何かあったのか」
「何もない」
「嘘をつくな」


不貞腐れた顔を、グイッと持ち上げられる。
アイスブルーの瞳と目が合う。


「・・・・・ごめん」
「それは何に対しての謝罪だ」
「色々」
「色々、じゃ分からん」


相変わらずイザークの瞳はキツイまま。
少しも揺るがない瞳。


「・・・・・・・素直になれなくて、ごめんなさい」


その瞬間、イザークが固まった。
顔を持ち上げている手が、緩む。
俯く私。


「怒らせたい訳じゃないんだけど、弱い所見られたくないし」

「だから、ごめんなさい」
「それは・・・お前が謝る事じゃないだろう」
「だけどっ、いっつもイザーク怒らせて・・・ッ」


ポロリポロリと涙が溢れては零れる。
ゆっくりと、頬を伝う。


「バッ、泣くほどの事じゃないだろう!」
「だって〜ッ」
「俺も、悪かった。その・・・怒鳴ったりして」

その言葉に今度は私が驚いた。
拍子に零れていた涙が止まった。
溢れだす大好きな気持ち。


「イザーク〜」
「あー、よしよし」


手を伸ばし、彼にしがみ付く。
小さい子供をあやす様に、頭を撫でてくれる手。


「大好き」
「いちいち言わなくても知ってるっ」


素直な私。素直じゃない私。
少し照れて怒った様な声に、私はクスリと笑みを漏らした。











(La Candeur=素直な心/ブルグミュラー)



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