海外からの贈り物











「姉さん、荷物が届いてるぞ」
「私に?」
「差出人は・・・親父からだ」

そう言って陽ちゃんが箱を渡す。
長方形で少し大きい白い箱。
差出人にはお父さんの名前。受取人は私。

「誕生日でもないのに、なんだろ」
「親父姉貴の事、溺愛してるからなぁ。碌なもんじゃねぇぜ。きっと」

そう言ってヒョッコリ顔を覗かせるのは、広海。
お風呂上りで首にタオルを巻いている。

「開ければ早いだろ」

私の隣に座るのは大地。
ふんぞり返りながらも、箱に興味を示している。

「じゃ、開けますか」

カパッと音を立てて、箱を開ける。
瞬間、三人が凍りついたのが分った。

「な、んだこれ」
「親父どっから見つけてきたんだ」
「流石、溺愛っぷりが違うっていうか・・・」

三者三様の驚き方だった。
そして問題の箱の中身は、

「ドレス、だね」

肩の部分を摘んで、立ち上がる。
淡い緑色のドレス。
裾には綺麗なシフォンが使われていて、とても上品にみえる。
首元にはセットのスカーフもついていた。

「にしても、なんでドレスなんて」
「お前に似合うだろうから。が理由みたいだぞ」

陽ちゃんが、名刺サイズのカードを渡してくれる。
そこには、お父さんの字で確かに書かれていた。

「全く、こんな事にお金使わなくていいのに」
「姉貴、着てみれば?」

箱の中身が分って少し興味の失せた広海が口を挟む。

「そうだな。折角だから、写真撮って親父達に送ってやろう」
「物好きだな、本当」

興味ないとばかりに、大地が点けっ放しだったテレビを見る。

「じゃ、ちょっと着替えてくる」

そして数分後、着慣れないドレスを着て、弟達の前に出る。

「・・・・・・・・・・似合う?」

神妙な顔つきで、三人を見る。

「似合ってるよ、姉さん」
「本当?!陽ちゃん!?」
「あぁ」

満面の笑みのおまけ付き。

「流石親父。なつきの事となると見る目が変わるな」

ボソリと呟いたのは大地。

「へぇ、孫にも衣装って感じだな」

暴言を吐いてくれたのは、もちろん広海。

「ちょっと、それどういう意味よ。広海」
「あ、いや・・す、すげー似合ってるぜ、それ!」
「今更よ」

叩けない代わりに、頬を抓る。
その後、写真を撮ってさっさといつもの服に着替えた。

「三人が結婚する時に、着て行くからね」

そう言うと、三人揃って咳き込んだ。


















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