今日はやけにスッキリした顔をしてたから。
ちょっと聞いてみたの。







いい事あった?








「いい事でもあったの?」
「え・・・?」

そう聞くと少し驚いた顔をして私を見た。

青木和巳。

私の幼馴染で私の彼氏さんでもある。

「で、どうしたの?」

私が興味津々の顔で聞くと、少し間を空けて、

「今日、茅野に会って・・さ」
「え!広海くんに!?」
「おう。あいつ全然変わってなかった」

もう一人の幼馴染、茅野広海。
本当に、もう手のつけられないくらいのやんちゃくれで。
それでも、すごく人を惹きつけるオーラを持っていて。
一秒たりとも目が離せない存在だった。
中学を卒業して、一度も会ってないっけ。

「へぇ、そっかぁ〜懐かしいなぁ」
「だろ?」
「けど、なんで今広海くんなの?」

不思議な顔をして、聞き返す。
本当、どうして今で今日なのだろうか。
そう言うと青木くんは苦笑しながら、

「大ちゃんに伝言があったらしい」
「へぇ〜、珍しい事もあるもんだねぇ」

しみじみと頷くと、それに青木くんもつられる。

「それで?少しは喋ったり・・した?」

広海くんと青木くんは不運のゴールデンコンビって呼ばれてる。
あの最悪な事件。
あれは、今でも根が深い。
青木くんの傷は、未だにズキズキと痛んでいる。

「あぁ、全部茅野にぶちまけてきた」

そう言った時の表情があまりにもスッキリしていて。
私も、安心した。

「そっか」

コテンと頭を青木くんの肩に乗せる。
広海くんと青木くん。
二人がどれだけ辛くて、苦しい思いをしてきたか、私は痛いほど知っていた。
知っていたけど、何もできなかった。
ただ、傍にいる事だけしか。

「心配かけて、悪かったな」
「ううん、何もできないんだもの。心配ぐらいはさせて?」
「サンキュ」

嬉しそうな声。

「あ、の事も聞いてきたぞ」
「そうなの?」

少し驚いて、青木くんの顔を見る。

「ちゃんと飯食ってんのか。だってさ」
「何それー、一体いつの話よ」

言いながら、はぁとため息をつく。
子供の頃、恐ろしいくらい私は小食だった。
だから広海くんには「ちゃんと飯食え!」って怒られてた。

「で、俺とお前の事言ったらあいつ、かなり驚いてた」
「ま、そうだろうね」

その様子が容易に想像できて、自然と笑みが零れる。
きっと、派手に声をあげて驚いたんだろう。

「じゃ、今度私達のラブラブぶりを見せてあげなきゃね」
「ラブラブって」
「また、三人で遊びたいなー」
「そうだな」

そう言って、青木くんは本当に嬉しそうな笑顔を見せた。



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