アスクリン
「寒い・・」
片手にはチョコレートアイス、片手にはスプーン。
「寒いよー」
一口ずつアイスを口に運ぶ。
広上がるチョコレートの味。
そしてその後に体に走る寒気。
「美味しいけど、お腹壊しそう」
それでも食べる手は休めない。
すると見ていたイザークが、
「うるさい」
一蹴して、私からアイスを取った。
「ちょっ!返してよっ」
ギロリとアイスを持つ相手を睨む。
けれど、そんな視線も全く気にせずにイザークは、
「寒いんだろ?我慢しろ」
机の上に置いていたフタで蓋をして。
冷凍庫に戻してしまった。
「ちょっと!」
立ち上がり、冷凍庫を開けようと手を扉に伸ばす。
けれどその手は冷凍庫に届く前に、捕まえられて。
「なんなら暖めてやろうか?」
ニヤリと口角を上げて私を見る瞳には、うっすら怒りが含まれてて。
「や、あの・・ご、ごめんっ」
「今更遅い」
そのまま腕を引かれて、寒かった体は一瞬にして暖かくなった。
アイスクリン=アイスクリーム
アイスに嫉妬するイザーク
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