二人の秘め事






、ちょっと来い」
「はい?」

そのまま付いて行けば、たどり着いたのは隊長の部屋だった。

「あ、あの西脇さん」
「どうした?」
「私、何かしちゃったんでしょうか?」

たらりと冷や汗が背を伝う。
ミスはしていない・・・・たぶん。
だけど私が気付いていないだけかもしれない。

「大丈夫、そんな内容じゃないから」

その言葉に安心するけど・・・・手が!
私の肩を抱く腕・・・・ヤバイ!ヤバすぎる!!
こんな所、隊長に見られたら・・・・・あぁ、ヤバイよー!
そんな気持ちを他所に、ビーッと聞きなれた呼び出し音が鳴る。

「に、にに西脇さんっ」
、どもりすぎ」
「や、だって・・・あのっ」
『西脇か?』
「あぁ」

隊長のよく通る声が聞こえる。
心地いい声も、今はそんな場合ではない。

『入ってくれ』

カチッとロックの外される音が聞こえる。
ドア一枚隔てて隊長がすぐ傍にいる。

「入るぞ」
「いや、嫌ですッ」
?」
「西脇さんの命令でも聞けません。嫌です」
「大丈夫だから」
「何が大丈夫なんですか!?私は西脇さんと別れたくありません」
「それは俺も同じだ」
「だったら、何で隊長の部屋に?!」

分からない。
西脇さんが一体何がしたいのか。
何を考えているのか。
私には、全く分からない。
・・・・・・・・別れたくないのに。どうして?

「とにかく、が想像してるような事じゃないから」
「で、でも・・・・ッ」
「二人とも、早く入れ」

シュッと軽い音がして、ドアが開く。
呆れた声に、私は好きな人との別れを覚悟した。


、大丈夫か?」
「・・・・・はい」

隊長の優しい言葉にも、ただ俯いて答えるだけ。
涙が出そうだった。
いつ「別れろ」と言われるんだろう。

「取り合えず、石川には伝えておこうと思ってな」
「西脇さん・・・」
「俺達付き合ってるから」

あぁ、とうとう言ってしまった。
どうしよう。
どう、言い訳したらいい?
どうしたら、少しでも長く彼と居られるのかな・・・・



どうしたら・・・・




「あのッ「そうか、分かった」」
「え・・・?」
「どうした、。不思議そうな顔だな」
「私たち、別れなくていいんですか?」
「別れたいのか?」
「そんな事ありません!」

鼻息荒く伝えると、二人の苦笑した姿。

「愛し合ってる二人の仲を裂くほど、俺は酷い男じゃないぞ」
「でも・・・」

それじゃ、隊内恋愛禁止の規約はなんだったんだろう。

「そうだな・・・二人は付き合ってどれぐらい経つんだ?」
「半年、だな」
「その間、何か問題を起こした事は?」
「ないな」
「なら問題ないだろう」
「・・・・・」
「お互いが支え合って隊員や他人に迷惑がかからないなら、それでいいと思うが?」
「隊内恋愛禁止としたのも、そのためだ」

ポンと頭に西脇さんの暖かい掌が乗せられる。
見上げると、優しい眼差し。
私の大好きな微笑み。
隊長も目元が緩んでいる。

「あ、ありがとうございます!」
「仲良くしろよ?」
「はい」

そして私は隊長という強い味方を得て。 ここに来てやっと笑顔を見せる事が出来た。




















メモ
久しぶりの西脇さん。
隊長と絡ませるとどっちがどっちだか・・・;

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