怒-----------------------だって、怖かった

















「あの、エーカー中尉」
「・・・・・・」

滅多にない二人で過ごすオフ。
けれど彼からの返事はない。

完璧にご立腹だ。

「エ、グ・・グラハムさん」
「・・・・・・」
「コーヒーと紅茶どっちがいいですか?」
「・・・・・・」

何を言っても返事が返ってこない。
一人相撲と、ずっとこのままなんじゃないかと焦りと不安が押し寄せる。
事の始まりは、私のある一言が原因だと思う。





『中尉は本当に私の事好きなんですか』





どうして恋仲になったのか未だに分からない。
甘い台詞を聞いても、信じられないと心を防御している自分がいる。
言わないでおこうと思っていたのに、つい口をついた本音。
職務中でも時間があれば二人で会っていたのに、それすらない。
どうすれば、許してもらえるのだろうか。


「どうしたら、許してくれますか?」

その言葉に、彼がようやく顔を上げる。
翠色の瞳に下唇を噛み締める。

「・・・・ッごめんなさい。私、不安だったんです」
「何がだ?」

返ってきた言葉に、少しだけ安堵する。

「どうして中尉が、私の事をその・・好きになってくれたのか」
「それでは・・・どうして君はそう思うのかな」
「それは、自分に自信がないからで・・・」

居た堪れなくなって、瞳を逸らす。
瞬間、腕を強く引かれ彼の上に倒れこむ。

「す、すみませんっ」
「君はいつでも先に謝罪が出るな」
「すみません・・・」
「上司だからか?」
「それ、もありますけど・・・嫌われたくないんです」

そう言うと、頭に暖かい手のひらが乗せられる。

「嫌うなど、ありえないな」
「ど、どうして言い切れるんですか」
「好きだからだ」
「・・・・・」

真摯な瞳に心臓を射抜かれる。
強い眼差しとは逆に、頭を撫でる手は優しい。

「君が何を心配しているのか知らないが、無用だ」
「・・・グラハムさん」
「自分に自信を持て。少なくとも私の前では」

結局は、こうやって怒らせて諭されなければ理解できない。
彼と違い子供な自分が嫌になる。

「・・・いいんですか?私で。自惚れてもいいんですか」
「あぁ」
「貴方をお慕いしております」
「おしたい?」
「私の国の言葉で、愛していますって意味です」
「そうか」

そして、仲直りのキスは少しだけしょっぱい味がした。


























続いては怒。
うーん、支離滅裂ってか、雰囲気を楽しんでくだされば!

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送