D B D
「遅い」
ベッドに足を組んで座っているディアッカ。
拗ねたような態度に、小さく笑う。
「何笑ってんだよ」
それが気に入らなかったのか、ムッとするディアッカ。
私は慌てて彼の傍まで歩み寄った。
「遅くなってごめんね。ディアッカ」
「、悪いと思ってる?」
「思ってるよ。だからこうして来たんでしょ?」
「仕事ほったらかして?」
立ったままの私の腰に腕を回す。
紫色の瞳がじっと見上げる。
「仕事は片付けて来たよ。迷惑はかけられないから」
「なーんだ。残念」
「それしたら、私ここで働けなくなるよ」
腰を抱いたまま、引き寄せる腕。
珍しく甘えてくる彼に、笑みが零れる。
柔らかい髪を、指に絡めて遊ぶ。
「ディアッカ」
「何?」
「おめでとう。遅くなってごめんね。それと好きだよ」
「一気に言いすぎ」
腰を抱く腕に力が篭る。
少し意地の悪い笑顔。
「おめでとうって、何が?」
「誕生日おめでとう」
「ごめんね、は?」
「その日に言えなくてごめんねって」
「好きって?」
ニヤリと口角が上がる。
小さく息を吐き出し、真剣な声で伝える。
「ディアッカが好きだよ」
「・・・・サンキュ」
私のお腹に抱きついて離れないディアッカ。
彼の髪で遊んでいた手で頭を優しく抱きこむ。
「来年は一緒に祝ってくれるんだろ?」
「もちろん。今年の分も込めて一緒にお祝いするよ」
「、好きだ」
「ありがとう」
抱き込んだ頭が私を見て。
嬉しそうに微笑むから。
私も嬉しくなって、笑顔になって。
彼が力を緩めたその隙に、私は彼にキスをした。
メモ
ディアッカ、遅くなってごめんね;
軽く忘れてました。来年こそは!
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