この歌はこの歌は永遠に愛するあなたに
          
捧げる歌なの
         
聞いてる?伝わってる?
         
私があなたに対する愛を
















愛する心







「いい歌ですね」
「ッ!?」
さん」
「城かぁ、脅かさないでよ〜」

よほど驚いたのかはその場に座り込む。

「大丈夫ですか?」

そう言いながら城が側にくる。

「ちょっと驚いただけだから。大丈夫だよ」
「そうですか」

そう言って隣に座る。
特になにか話すわけでもなく空を見上げる。
真っ暗な中に光る星がすごくキレイに見えた。

「さっきの歌」
「え?」

不意に城が話し出す。

「さっき歌ってた歌、タイトルはなんですか?」
「『あなた』って歌なの。歌詞がすごく好きなんだ」
「そうなんですか」
「あッ、でも忘れてね。私が歌ってた事」
「どうしてですか?」

痛いとこつくな〜と思いつつもは話す。

「ん〜だって私、歌下手だし」
「そんなことなかったです」
「ありがとう、お世辞でもそう言ってくれて嬉しいよ」
「・・・お世辞じゃないですよ」
「城?」

少し、城の声が変わった。
城の顔を覗き込んでみる。

整った顔立ち。
入隊当初はどうなるかと思ったが、今では隊員とも仲良くやっている。
班が同じ事もあって、は城と話す機会も多かった。
そんな城をはいつからか目で追うようになっていった。
城の事を好きだと自覚したのはつい最近のことだ。

「どうしたの?」
「別に、なんでもありません」
「そう?ならいいけど」
「・・歌ってくれませんか?」
「へぇ?」

いきなり歌ってくれなんて言われたもんだから、は素っ頓狂な声を上げた。

「いや、だからね・・・」
「お願いします」
「・・・・・・仕方ないな」

そんな真剣に頼まれたら断る方が難しい。
仕方なく鈴は目を閉じゆっくり歌いだす。
この歌を歌うときにいつも思い浮かべる人を描きながら



愛する人の歌を歌いたいと思った

あなたの前じゃ出し切れない全ての想いを

この歌に託そうとして この歌を歌う



どうしようもないくらい泣ける夜もあった

あなたの前じゃ素直になれない自分がいて

分かってるから悔しい



不器用だから うまく言えない

あなたにただ スキと言って欲しいだけなのに



歌をこの歌を もしもあなたが聞いているなら

分かって欲しい私の想い全てをかけて

あなたを愛してる






鈴はゆっくり目を開ける。
さっきと変わらぬ空と星が目に入る。

「これでどう?」
「・・・・」
「城?」
「好きです」
「え・・・?」
さんが、好きです」

いきなり告白されての思考回路は停止する。


今、なんて?

スキって誰を?  

私を?


「じょ、城?ど、どうしたのいきなりっ」
「すみません、いきなりこんなこと言って」
「ほ、本当に?」
「・・・・・」

無言で城が頷く。

「・・・・私も、城が好き。気づいたら好きになってた」
さん」

ギュッと抱きしめられる。
暖かい城の温もりが染み込んでくる。
嬉しくて、暖かくての目からは涙が零れていた。

さん」
「あぁ、ごめん。嬉しくてつい」

チュッと目元にキスを落とされる。

「愛してます」
「私も」

そっと唇を重ねる。









歌を この歌をもしもあなたが

同じ気持ちで 聞いてくれているのなら

私を離さないで



















歌詞:HY STREET STORY「あなた」より一部引用

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