哀---------------------決め付けないで


















「グラハムさんッ」
「エリ・・・ッ」

名前を呼ばれる前に彼の唇を塞ぐ。
私の顔を見ないでください。
今だけは。
弱い私が顔を出してるから。

「っ、?」
「今だけ、今だけ見ないでくださいっ」

俯いたまま、彼の腕を掴む。
お願いですから、見ないで。



嫌いにならないで・・・・



、どうした」

優しく降り注ぐ彼の声。
甘い声に、噤んでいた言葉を告げそうになる。
けれど、言えない。

「私は、グラハムさんが好きです!誰がなんと言おうとも」
「・・・ジョシュアか」
「・・・・・」

軽く息を吐き出す彼に、体が震える。
ジョシュアから突きつけられた言葉がよみがえる。
彼に対する罵詈雑言ばかりだった。
自分の愛する人を傷つける言葉は許せなかった。

「何を言われた?」
「・・・・・・・・言えません」

「グラハムさんには言えませんっ、言いたくない、あんな言葉」

嘘でも言いたくない。
頑なに拒んでいると、小さな笑い声が聞こえた。

「グラハム、さん?」
「すまない、君があまりにもムキになるから」
「だって・・・」
「そうだな、ありがとう」

驚いて顔を上げる。
嬉しそうに笑う姿が映る。

「なんで、そんな・・・」
「私の事をそこまで想ってくれているのだと思うと、嬉しくなるものだよ」
「私は真剣に!」
「分かっている。だから嬉しい」
「っ・・・」

さっき私がしたキスとは違う。
深いキス。

「愛しているよ」























メモ

悲しみとはちょっと違いますが。
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