「おい小僧、太刀筋は悪くねぇ」

大きな画面に表示される二人の姿。
一人は、山本くん。
そしてもう一人は、銀髪の長い髪の人。



スクアーロ



「まさか・・・」
「あとはその甘さを捨てることだ」

数秒、画面の中の彼と目が合って。

「女ぁ!」
「・・・な、何・・・」
「Affezionarsi」

ニヤリと笑う。挑戦的な笑み。そして




一瞬だった。




一瞬で、鮫に食べられてしまった。
開いた口が塞がらない。
声を出す事も出来ない。




-----------------------------------------------------------------気に入ったぜ




「う゛お゛ぉい!女ぁ」
「っ・・・」
「気が強ぇのもいいが、時と場合を考えろよぉ」
「ひ・・・ッ!」
「ハッ、さっきまでの威勢はどうしたぁ!」
「は、離してッ!」

強く掴まれた腕が痛い。
だけど、振りほどけるほどの力が出ない。
足が竦んで膝が震える。



怖い


怖い


怖い!


「いい顔だなぁ、女」
「んっ・・・!」
「ッ!貴様ぁ!」

血の味がした。
次にしょっぱい味。

「へッ、泣く程嬉しかったってかぁ?」
「っ・・・うっ」

こんな奴に、こんな奴に奪われた最初のキス。
口元を袖で何度拭っても感触は消えない。
涙も、止まらない。

「じゃあな、女」
「あ、あんたなんか、いなくなっちゃえ!!」













自分で言った言葉が蘇る。
まさか本当にいなくなるなんて。

「おい、
「っう・・・うぅ・・・っ!」
ちゃん?!」

がくりと膝が崩れる。
涙が、止まらない。
嫌いだった、大嫌いだった。
いなくなればいいって、あんな奴いなくなればいい、って何度も思った。
なのに、なのに。

「な、んで、そんな事・・・言うのよぉ」


リボーンが肩に触れる。
止まりそうにない涙を必死で拭う。

「あいつと、何があった?」
「何、も・・・ないっ」
「嘘を付くな」
「おい、リボーン!」
「何も、なかったよ!」
ちゃん」

後ろで色んな声が聞こえたけど、何も入ってこない。
彼が最後に言った言葉。




『Affezionarsi』




意味なんて分りたくない。
いっそ、知らない言葉で話してほしかった。
今更、そんな言葉なんていらない。
返事を言う相手はもう、いない。

「あんたなんか・・・大嫌いよ!!」
ちゃん」
「大嫌い、なんだから・・・」

止まらない涙。
グラグラ揺れる心。
いなくなってしまった、彼。






















メモ
ワオ、初がスクアーロとは・・・
しかも、ちょっと、暗め。

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