place in the sun. 1









「おはようございます、
「おはようございます。お姉さま」
「そんなに堅苦しい呼び方でなく、ラクスとお呼びくださいな」
「そ、そんな!お姉さまを呼び捨てになんて出来ません」
「相変わらずですわね」

ある昼下がり、お姉さまとのお茶の時間。
お姉さまは、あのラクス・クライン。
歌姫で、綺麗で、優しくて。
誰もが憧れる女性。

私は、・クライン。
お姉さまの妹。
けれど、私にはお姉さまの様に綺麗でも優しくもない。
ましてや、歌なんて。

自慢のお姉さま。
けれど、時々それが疎ましく感じる。
これだから、私はダメなのでしょう。


「あら〜、いけませんわ」
「どうかされましたか?」
「折角のとのお茶ですのに、アスランとのお約束があったのを忘れておりましたわ」
「お姉さま・・・私よりもアスランさんとの約束を大事にしてくださいっ」
「ウフフ、そうですわね。けれどただ一人の私の妹ですから」
「もう、お姉さまは」

笑顔を向けながら、その場から立ち去るお姉さま。
アスラン・ザラさんはお姉さまの婚約者。
格好よくて、ザフトの赤服を着ている人。
モビルスーツのパイロット。

「どうして、お姉さまばかり」

お姉さまがいなくなって、広い庭には私一人になって。
小さく呟いて、顔を伏せる。
こんな卑屈な性格も後ろ向きな考えも、嫌い。


「お父様?」
「ここにいたのか」

不意にドアの開く音と、見知った低い声。
ゆっくりと顔を上げると、大好きなお父様の姿。

「どうしたんですか?」
「お前に、話がある」
「話し?どのような?」
「お前にも婚約者をと思っていてな」
「えっ!?ちょ、お父様っ」

お父様の言葉に、ガタリとイスから立ち上がる。
え?婚約者って・・・?
私の?
けど、でも・・・どうして・・・

「相手はイザーク・ジュールくん。お前も名前くらいは聞いた事あるだろう?」
「あ・・ありますけどッ!けど・・・どうしてっ」

ありえない展開に頭がついていかない。

「先方とはすでに話がついている、後はお前達次第だ」
「お父様っ」
「3日後、二人で食事にでも行ってきなさい」
「そんな・・・ちょっと待ってくださいっ」

ピピピ

高い電子音が鳴り、通信が入る。
話しの腰を折られ、ドサリとイスに座り込む。
どうしよう、どうしたらいいの?
混乱する頭では、何も答えは浮かんでこない。

「分った。すぐに向かう。
「・・・はい」
「すまない、これからまた議会が始まる」
「そうですか」
「言いたい事があるなら、後で聞く。それでは、行ってくる」
「はい、行ってらっしゃいませ。気をつけて」

シュっと音がして、部屋を後にするお父様。
ふっと息を吐き出し、さっきと同じように机に顔を伏せる。
いきなり何年も先の事を言われて、未来の相手まで決まって。

「イザーク・ジュールさん」

呟いて、目を閉じる。
そうしてお姉さまが呼びに来るまで、私はその場で眠っていた。

















メモ
これから頑張っていきます!

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