白黒トワイライト








「きゃッ!!」

ピカッと稲妻が走る。
外は大雨。轟音と光が交互に響く。
こんな時に限って、どうして地球に降りたのだろう。
あぁ、そうだ。クワトロ大尉が、

、いるか?」
「た、大尉ぃ〜」

コンコンとドアをノックする音。
私はすぐさまドアに飛びつき、鍵を開ける。
開けた瞬間、外がピカッと光る。

「やッ!」
「おっと」

ドスッと思い切り大尉に寄り掛かる。
次に来るであろう、音にぎゅっと耳を塞ぐ。
案の定、数分もしない内に轟音が鳴り響いた。

「もう、嫌ですーっ」

半泣きになりながら、泣き言を漏らす。

「いつもの威勢はどこへやら、だな」
「大尉なんとかしてくださいっ」
「こればかりは、私でもどうにもならんさ」
「うぅ・・・帰りたい・・・」

玄関先で大尉に寄り掛かりながら、ズッと鼻をすする。

、大丈夫だから泣くな」
「だって、怖いんですもんっ」
「分かったから、とにかく落ち着け」
「はい・・・わっ!」

グイッと視界が変わる。
先程までは大尉の胸の位置だったのに。
今は視界が広くなり、高くなる。

「シャ、クワトロ大尉!?」
「シャアで構わんよ」

つい、昔の癖が出てしまった。
出さないようにと気をつけていたのに。
顔色を伺う様に見上げると、苦笑いしているクワトロ大尉。
シャアとは、クワトロ大尉の名前。
どちらも大尉の名前である事は間違いない。
けれど、今は、

「すまなかった、いきなり」
「・・いいえ、こうでもしないと私きっとあそこで固まってましたから」

言いながら、玄関を指差す。
下ろされたのは、ベッドの上。
私を下ろした隣に、大尉も座る。

「これで少しは和らぐといいんだが」

そう言って、ぎゅっと抱きしめてくれる。
暖かい腕。
それに応える様に、私もぎゅっと抱き返す。

「あぁ、は暖かいな」
「クワトロ大尉も暖かいですよ」

見つめ合い、ゆっくりと目を閉じる。
その瞬間、ゴロゴロと大きな音が鳴る。

「うわーんッ!もうやだー!カミナリなんて嫌いー!!」

とうとうクワトロ大尉に泣きついた私。

「・・・お預けを喰らったな」

よしよしと宥めながら呟いた声は、私には届かなかった。





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