朝の風景








「ヒーローミー、起きろッッ」
「ん〜・・・あ、と・・・ご、ふん・・・」

大ちゃんが広海お兄ちゃんを起こすのは、いつもの事で。

「おはよう、陽一お兄ちゃん!」
「・・・・・おはよう」

陽一お兄ちゃんの寝起きが最悪なのも、いつもの事で。

でも、いつもと違うことが一つ。
それは、

「おい、。起きろ」
「ん〜、起きます・・・起きます・・・」
「お前まで、ヒロミみたいにグーたら寝てんじゃねぇよッ」
「んんッ、大ちゃん・・・うるさい」
「てめぇ・・・」

寝坊して、大ちゃんに起こされる事。
毎日聞きなれてるから、ドスの聞いた声でも動じない。

「さっさと起きねぇと、ヨーイチが来るぞ」
「えッ!?陽一お兄ちゃん!?」

流石に、陽一お兄ちゃんに朝っぱらから説教されたくない。
飛び起きる私に、大ちゃんは、一言、

「ヨーイチの名前で起きるなよ」

他人から見たら、大して変わっていない表情。
でも、毎日一緒に暮らしてる私には分かる、不機嫌な顔。

「大ちゃん?」
「何でもねぇ」

さっさと下に下りていく。


茅野家の、ある朝の風景



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