木漏れ日








レースも何もない日、
私はいつも榎木さんの家に行く。
いつからそうなったのか忘れたけど・・・

「おじゃましまーす」

大分前に貰った合鍵で入る。
合鍵まで貰ってるのに、私と榎木さんは未だ恋人同士。
それが不満ではないけど、やっぱり考えてしまう。
榎木さんにその気がなくても・・・

「榎木さーん?お邪魔しますよ〜?」

いつもならいらっしゃいと出迎えてくれる榎木さんが、今日は来ない。
いないのかなと思いつつ、取り敢えず部屋に入る。
部屋に入ってすぐ、榎木さんを見つけた。

「え、榎木さん?」
「・・・・・」

広いリビング、その先には大きな窓と広いベランダ。
そこの縁側に榎木さんは寝ていた。

「あの〜、榎木さん?」

覗き込んでみるが、返答はない。

「いつも、お疲れ様です」

クスッと軽く笑い、ソファに掛けてあったブランケットを榎木さんにかける。
起きない様に静かに。

「ふぁ〜、榎木さん見てたら私も眠くなってきちゃった・・・」

日向ぼっこには最適な場所で、私はウトウトして。
ついには、ソファで寝息を立てて寝ていた。

「ん?ブランケット?」

先に起きたのは榎木さんだった。
その声で私も夢から覚める。

「あ〜、榎木さん、おはようございます」
?いつ来たんだ?」
「つい一時間ぐらい前に」
「そうか、悪かったな。起こしてくれてもよかったんだぞ?」
「榎木さん、疲れてるだろうと思ったから」
「ありがとう」

そう言って、優しく私の頭を撫でる。
その気持ちよさに、またウトウトし始める。

、眠たいのか?」
「ううん、そんなことは・・・」
「眠たいなら寝ていいぞ」
「あー・・ごめんなさい・・・」

そう言って私はまた夢の世界に戻っていった。



目が覚めたのは次の日の朝。
慌てて起きた私に榎木さんは笑いながら、

「何ならずっとここに居てもいいんだぞ?」

とプロポーズとも取れる発言をしてくれたのだ。



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