一撃必殺グッドモーニング
「」
「何、大ちゃん」
「俺今日朝練だから、ヒロミの目覚ましよろしく」
「えー!私が起こすのー?」
「じゃ、行ってくる」
私の反感も気にせず、大ちゃんがドアを開ける。
ヒューっと冷たい風が舞い込んでくる。
「行ってらっしゃーい・・」
ドアが閉まるのと同時に、はぁと軽く溜息。
そして私は、お兄ちゃんを起こすべく階段を上り始めた。
「はぁ〜、目覚まし時計の意味ないじゃん・・」
部屋に入った瞬間目に映ったもの。
目覚まし時計に手を掛けたまま、寝ている広海お兄ちゃん。
取り敢えず、声を掛ける。
「広海お兄ちゃーん!朝だよー!」
「・・・・」
「ちょっとー、聞いてる?」
「んん・・・・・・あと五分・・・」
「あと五分も寝たら、陽一お兄ちゃんに叩き起こされるよ?」
私の声も空しく、広海お兄ちゃんは一向に目を覚まさない。
「よーし、そっちがその気なら・・・・」
少し考えた後、広海お兄ちゃんの耳元で囁いた。
「・・ッ!!?」
それを聞いたお兄ちゃんは、言葉どおり飛び起きた。
耳を塞ぎ、顔を真っ赤にさせて
その姿を見て、私はもう一度囁いた。
「グッドモーニング、ダーリン」
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