赤い泪
『お前は、悪くない。だから泣かなくていい』
ある事件で、陽一お兄ちゃんが、広海お兄ちゃんに言った言葉。
その時私は、リビングの外で膝を抱える事しかできなかった。
「、何やってんだ?」
「・・・・・大ちゃん」
リビングでは、二人がまだ話している。
入りたくても、入れない自分が情けない。
きっと、今出て行っても、私に出来ると事は何も、ない。
そう思うと悔しくて、情けなくて、そして悲しくて。
大ちゃんと発した声が震えていた。
「お前、何泣いてんだよ?」
「だ、だってっ・・・!」
膝を抱えて、顔を上げずに声だけだす。
私が泣いても何もならない。
そう、分かっているのに、止まらない涙。
「ったく」
「大ちゃん?」
「ほら」
隣に座って、頭を抱いてくれた。
その暖かさに、私は大ちゃんにしがみ付いた。
そして、泣いた。
声を上げずに、ただ雫だけ流した。
中にいる二人に気づかれないように。
「、お前まで泣かなくていいんだよ」
そう言って、大ちゃんは、軽々と私を抱き上げ部屋に連れて行ってくれた。
部屋に付いて、初めて声を上げて泣いた。
その間、ずっと抱きしめて、頭を撫でてくれた。
あの大きな手を、私は忘れない。
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