「お前は戦女神だな」

笑ってそう言ってくれた貴方。




戦場マリア





「たぁッ!!!」

カキンッと鋭い音が響く。
周りは怨霊だらけ。
封印してもキリが無い程たくさんいる。

「はぁ、はぁ・・・ッ」

段々剣を振る腕が鈍くなる。
でも、ここで倒れるわけにはいかない。
九郎さん達に迷惑が掛かる。
体勢を立て直した時、背後に居た怨霊が斬りかかってきて・・・

「ッ!!」

斬られる!そう思ったのに痛みは全然なくて。
うっすら目を開けるとオレンジ色の長い髪。

「このバカ!どうして呼ばない!」

側に居た怨霊を蹴散らして、私の方へ向き直る。

「く、九郎さん・・」

ぐいッと引き寄せられる。

「なんの為に俺がいると思ってるんだ?」
「ご、ごめんなさい・・・」

いつもとちがって、少し怒っている声。
あぁ、また心配を掛けてしまったと、俯く。



ぽふっと頭を引き寄せられる。
温かい九郎さんの胸。

「すまん」
「え?」
「俺の所為なんだろ?」

抱かれている頭で、必死に謝罪の意味を考える。

「俺が戦女神なんて言ったから、お前は・・」

少し辛そうな声。
私は、そんなに無茶をしていたのだろうか?

「すまん、もう戦女神なんて言わない」
「九郎さん」
「だから、頼む無茶をしないでくれ」

頭だけから、ぎゅっと抱きしめられる。

「気付いて、たんだ」
「当たり前だ。あんな戦い方おかしいと思うだろ」
「また、心配掛けちゃってたんですね。ごめんなさい」


そっと離れ、頭を下げる。
そんな私に九郎さんが近づく。

が謝ることじゃない」
「俺がお前に甘えすぎていたんだ」
「九郎さん」
「だから、謝らないでくれ」

綺麗な顔立ちが歪む。
そんな九郎さんの顔を見ると胸が苦しくて。
見ていたく、なくて・・・

「私は、九郎さんが好きです」
「お、おい」
「だから、戦うんです」
・・・」
「一緒に幸せになりましょう。ね?」

にっこり覗き込めば、お前って奴はと返ってくる。

「あぁ、必ず一緒に」











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