青春

                 トラフィック








「うわ〜ッ!さすが高校バスケっ」

迫力のある試合、ドリブル。
すべてに圧倒される。
その中でもひときわ目立つ無愛想な鉄人。

「茅野ッ!」

チームメイトからパスをもらい、ゴールまで猛ダッシュ。
いつも家で見てる大ちゃんとは、全然違うくて。

「わっ!!」

パスッとゴールにボールが入る。
その瞬間笛が鳴って。

「きゃーー!勝ったー!!」

大ちゃんに知られないように、秘密できたのに。
今の声で大ちゃんが振り返り。
そして、一瞬驚いた顔。

!!」

あぁ、バレちゃった・・・

「あはは、大ちゃん・・」
「・・・お前なんでここにいるんだ」

低いドスの効いた声。
その声に、周りは金縛りになる。
私は、いつも聞き慣れてるから平気だけど。

「ちょっと、見学に、ね?」
「ね、じゃねぇよ。あれ程くんなっつただろうが」
「でも、見たかったんだもん」

シュンと俯く。
怒られると知っていても見たかったのは事実。
大ちゃんがバスケしてる姿を。

「・・・・待ってろ」
「え?」

不意にぶっきら棒に投げかけられる言葉。

「ここで待ってろ。着替えてくる」
「・・・ッうん!」

にっこり笑って返事をすれば、大ちゃんの呆れた顔。


二人で歩く帰り道。
練習試合の感想を素直に伝えると、珍しく照れた大ちゃんの顔。

「頑張れ、大地」

久しぶりに名前を呼ぶと、驚いた顔をして。

「うるせぇ」

短い言葉が返ってきた。











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